あけましておめでとうございます。
今年も元気でがんばっていきますので、どうぞ宜しくお願いいたします!
南部萱の「かやぶきBlog」は本日よりFC2ブログで運用することとなりました。
お気に入りやブックマークをしていただいていた皆様にはご迷惑をおかけいたしますが、更新頻度や内容の向上を図っていきたいと考えますので、今後とも「かやぶきBlog」をよろしくお願いいたします。
茅葺技術の地域性に聞かれることがありますが、最近もある業者さんからお問合わせを頂いたので今日はそのことについて少々。
地域性とは葺き方の違いのことと思いますが、まず、屋根の構造によって大きく葺き方が別れます。当然ですが、合掌造り等と岩手の建物では屋根の構造自体が違いすぎるので、葺き方も大きく異なりますが、これはむしろ特殊な例であり、一般的には地域の差はそれほど大きくありません。
もちろん見た目でも見えない部分でも多かれ少なかれ違いはありますが、それはむしろ地域としての特色というより職人さん、棟梁さんの意向による違いのほうが大きいものです。
例えば、雨水が多い場所に耐久性のある材料を使ったり、豪雪地帯で軒先に強度のある材料を入れたりするなどの手法も、元々は棟梁さんの工夫によって生まれたものです。当然といえば当然なのですが、その場所の立地や人間の生活習慣等に適した屋根を作るために棟梁さんの知恵で生まれた手法の違いが、いわゆる地域性を生み出していると考えるのが適切です。
そして、よくあるのが「葺き替えしたら前と全く違う屋根になった」というケース。何十年も地元で実績を残した職人さんですから、自分の手法が慣れていますしやりやすいに決まっていますから、何の指摘もなければ自分流の屋根になってしまうでしょう。しかし、これは葺く技術に問題があるというよりも「俺の葺き方はこうだ」とねじ曲げない施工側と十分に特色を把握できていない管理側の両方に認識の差があるだけですから、十分両者が把握して正確な復元に努めればほぼ同じようなものは出来上がります。
全国的に職人さんが高齢化していることもあり、職人探しに手を焼かれている地域もあるとは思いますが、他の地域の職人が来たから単純に地域性が失われるということにはなりません。施工・管理で特色を遵守すれば他の地域から派遣された職人でも良い屋根は出来上がるものなのです。

岩手を代表する文人といえば、石川啄木の名前を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。その啄木の郷里にある石川啄木記念館敷地内で、現在「旧斉藤家」の葺き替え工事を行っています。
旧斉藤家は、啄木が渋民尋常小学校の代用教員を務めていた時に暮らしていた建物で、旧藩政時代の宿場の民家としても史跡的価値の高いものです。しかし、現在の場所へ移築してから既に約40年が経過しており、老朽化が進んできたため本格的な改修工事を行うこととなりました。工事期間中は建物の内部等ご覧いただけなくなりご迷惑をおかけいたしますが、普段あまり目にすることのない茅葺きの葺き替え作業をご覧いただくにはいい機会であると思います。現在は3段目の平葺き作業が行われています。

石川啄木記念館では、歌集「一握の砂」発刊100周年を記念して、企画展「一握の砂を示しし人」を開催中です。一握の砂の内容を5つのテーマに分け、歌のオブジェや啄木ゆかりの品々、ジオラマなどで啄木の歌の世界を紹介されています。まだ訪れたことのない方も、既に訪れたことがある方も楽しめる内容になっており、新たな啄木の魅力を感じられるのではないかと思いますので、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか?


■開催期間
平成22年11月1日(月)~平成23年1月31日(月)
■お問い合わせ先
石川啄木記念館
〒028-4132 岩手県盛岡市玉山区渋民字渋民9
TEL:019-683-2315 FAX:019-683-3119
http://www.takuboku.com/※本記事の写真は、石川啄木記念館様の許可を得て撮影・使用しているものです。無断での複製・転載・引用等は固く禁止いたします。
先日工事が完了した現場をご紹介いたします。
和算の大家「千葉胤秀」の旧宅で、築200年超の寄棟造の古民家です。
一般的に茅葺き屋根の耐久性は20~30年といっても、陽のあたり方や屋根の向いている方角によっても茅の傷み具合はだいぶ変わってきます。今回行った差し茅は、
こちらのページでも紹介している通り、表層の傷んだ茅を撤去して文字通り「茅を差して」補修する技法で、「葺き替えを行うほどではないが、部分的な補修は必要」という場合に最適です。
とはいえ、傷みの度合いによってはほとんど葺き替えに近いような部分もあります。下の写真は軒の部分ですが、傷んだ茅を撤去したら残った部分はこれだけになりました。

軒部分は葺き替えとほぼ同じ方法で施工し、上に向かって差し茅で作業を行っていきます。

約1ヶ月半の作業できれいに仕上がりました!
今回施工した部分が鮮やかですね!

この記事を書いている時点で、もう既に次の現場が始まっています。
そちらの様子も近日中にはお伝えできると思いますので、お楽しみに・・・!